3年ぶりのセンバツ切符獲得を狙う花巻東(岩手)は、中軸を担う菊池開斗内野手(2年)が勝利を切り開く男になる。

秋季高校野球東北大会の休養日の16日、宮城・名取市内で調整。2戦連続無安打だが、シート打撃では逆方向の右中間に二塁打を放つなど安打を連発した。17日の準々決勝では好投手擁する八戸西(青森)と対戦。OBのエンゼルス大谷を参考にする強打が、爆発の予感たっぷりだ。

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菊池開は、開かない。右翼線への安打に続き、右中間二塁打。「右方向に強い打球を打てていることが自分の調子のバロメーター。欲が出てしまって体が開きが早くて、引っかけてしまうことが多かったが、状態は良くなっています」。相手の186センチ長身右腕を想定した打撃投手を相手に、持ち味が復活。「投手の映像を少し見たけれど、手足が長くて角度もあってキレもある。ストライクを取りにくる甘いボールもあるので、それをしっかり捉えたい」。遠野中時代には岩手県選抜で4番を務めた勝負強さに期待が集まる。

左右は違うが、逆方向に強い打球を飛ばす大谷を参考にしている。「体を開かずに変化球にも対応出来る。しっかり振ってから一塁に走る姿が理想型です」。調子が悪い時ほど、ユーチューブなどで大谷の打撃映像を確認し、自身のイメージと打撃フォームを修正している。

18年夏、甲子園100回大会で背番号1を付けて登板した中学時代の先輩、伊藤翼投手(現武蔵大2年)の姿を見て、花巻東進学を決意した。「練習から岩手から日本一の目標を意識していることを聞いて、自分にもその目標が出来た」。苦しみながらも鶴岡東(山形3位)、角館(秋田1位)を撃破してきたが、あと3つ勝って頂点に立つことが今秋の目指すべきもの。趣味は寝ること。「寮でも一番早く寝ています」。眠っていた本来の打撃が、ようやく目を覚ましそうだ。【鎌田直秀】