関根学園(県3位)がセンバツ出場をあと1歩で逃した。敦賀気比(福井1位)に延長10回、4-5でサヨナラ負けした。1-2で迎えた3回2死満塁では尾身颯太一塁手(2年)が右翼へ逆転2点二塁打を放ち、逆転。7回には竹之内陵内野手(2年)が2試合連続となるソロ本塁打で突き放した。だが9回に同点とされ、もつれ込んだ延長戦、最後の最後に力尽きた。北信越のセンバツ出場枠は2。14年日本文理以来の県勢センバツ出場は2年連続4強止まりで遠のいた。

   ◇   ◇   ◇

関根学園のセンバツの夢を打ち砕く打球はセンターに転がった。延長10回のサヨナラ負け。甲子園常連校を追い詰めながら、負けた。打たれた滝沢夏央投手(2年)が膝に両手をついて下を向く。歓喜で小躍りする相手ナインとは対照的に、大竹直樹捕手(2年)はグラウンドに突っ伏した。安川巧塁(よしたか)監督(28)は「“ここぞ”で、ひとつの違いがあった。最後の最後で、守り切れなかった」と言った。

4-3と1点リードで迎えた9回裏の守り。1死を奪い、センバツがかすかに見えた。ところが守備のほころびから並ばれた。8回から守備についた近藤晶英三塁手(1年)の失策で走者を許し、2死一、二塁から同点に追いつかれた。

延長10回も2死二塁の場面から三塁手の失策で2死一、三塁とピンチを広げた。そこから食らった手痛いサヨナラ負けだった。しかし、全員が前を向く。8回に遊撃手から2番手でマウンドに上がった滝沢は「自分のせいで負けた」と敗戦の責任を全部背負ったが、強い決意を固めた。「誰よりも練習して、次は自分のおかげで勝った言われるようになりたい」と言った。

関根学園の1、2年生は期待の世代だった。新型コロナウイルス感染防止のため、対外試合禁止措置がとられていた時期。実戦経験を積ませるため、3年生チームと紅白戦を繰り広げて6戦全勝。指導スタッフはある程度の手応えを感じていた。県3位で出場権を得た北信越大会。秋季2年ぶり3度目の出場で秋初白星を挙げると、センバツにあと1歩に迫る快進撃は期待以上でもあった。安川監督は「1個1個アウトを重ね、1個1個イニングを重ね、1個1個試合を重ねて甲子園につなげたい」と今後も地道な努力を重ねていく覚悟だった。【涌井幹雄】