日大山形がビッグプレーをスタートに、2試合連続逆転劇で3年ぶりの4強入りを決めた。プレイボール直後の初球。風にも乗った大飛球に伊藤翔海左翼手(2年)が184センチ、88キロの体を懸命に伸ばしてジャンプ。「フェンスを怖がらないで思い切りジャンプしたら入っちゃった感じです。ホームランボールをキャッチできたのでうれしい」。先制本塁打を浴びれば精神的ダメージも大きかっただけに、殊勲の守備だった。

3回表に1点を先制されたが、同裏に追いつくと、4回には伊藤の強烈な右前打を皮切りに一挙3得点で勝ち越した。5回にも伊藤の右越え適時二塁打で突き放した。東北地方で積雪が記録されたほどの寒さも伊藤には追い風だった。「自分は暑がりなので」とアンダーシャツは袖なし。OBで甲子園出場経験もある父航さんの背中を追い、東京から山形に来た当初は寒さに負けたこともあるが、今は「11月くらいまでは長袖は着ません。半袖よりノースリーブが好きです」。袖をまくりあげて太い腕を披露し、笑った。

準決勝では県1位代表を連続撃破した柴田と対戦する。「チームのモットー通りに泥臭く戦って(荒木)監督さんを甲子園に連れていきたい」。勝てばセンバツ切符獲得が濃厚。腕の見せどころだ。【鎌田直秀】

▽東北・竹中哲斗内野手(2年=4安打2打点もチーム15安打を生かせず)「バッティングも守備も甘さが出た。授業や練習の態度から突き詰めていきたい」