大阪大会で履正社を破って近畿大会に出場した山田(大阪3位)は、龍谷大平安(京都1位)に敗れ、大会またぎの連続金星とはならなかった。

全力は尽くした。打線は相手を上回る7安打。エースの坂田凜太郎(2年)は「思ったより打たれなかった。ヒットの数を抑えられたし、見逃し三振を取れたことも自信になった」と、持ち味のコースをついた丁寧な投球。名門打線を単打4本に抑え、奪った4つの三振は全て見逃し三振だった。金子恭平監督(41)は「勝ちにこだわっていこうと。単純に悔しいです」と肩を落とした。

初回から1死一、二塁の好機をつくるなど果敢に攻めた。「1、2、3回はいつものペースで野球が出来たら勝負できると話していた。序盤は狙い通りだった」と5回終了時点で0-2の接戦に持ち込んだ。だが、計7度出塁したうち4度併殺打に倒れ「守備力の違いを感じました。二遊間に打たないように意識したのですがうまくいかなかった」と決め手を欠いた。暴投や失策が絡んで追加点を献上するなど、守備のミスも響いた。

高校野球界屈指の名門を苦しめたのは間違いない。敵将の原田英彦監督(60)は「重かった。重いですね。京都大会ではない空気だった。相手の投手に打たされたというか、ずらされました。ファーストストライクを打てと言ったけど、少しずつずらされた。見逃し三振が多いのも珍しかった。ゲッツーが取れたのが勝因」と試合を振り返り、「(履正社に勝ったのが)わかります」と渋い表情を浮かべていた。