乙訓(京都2位)は、好投を続けた先発の北見隆侑投手(2年)が9回に力尽き、投手戦に敗れた。

来秋ドラフト候補・達孝太投手(2年)との投げ合い。初回、先頭から連続三振の立ち上がりを見せたが、相手3番に左越え二塁打を浴び2死二塁。さらにそこから左越え適時二塁打を浴び、連続長打で先制点を献上した。「長打で得点を取られる形が秋から多くて課題だった」と悪癖から失点した。だが、最速142キロの力強い直球とカットボール、スライダーなど切れのある変化球を駆使し、2回から8回まで相手打線を4安打無得点に抑える好投。9回121球を8安打8奪三振で投げ抜き、相手好投手の達と終盤まで互角に渡り合った。

9回2死一塁から制球ミスで高めに浮いた球を痛打され、延長戦に持ち込む寸前で敗戦。「相手はプロ注目と言われている投手。こういう試合で投げ勝ちたかった」と悔しさをにじませた。

18年センバツで同校が甲子園に出場した姿に心つかまれ、入学を決意。「公立校でこの野球はすごいなと。この高校で甲子園に行きたいと思った」。初出場ながら1勝を挙げた選手と、テレビに映る大応援団にひかれた。夢に見たユニホームと背番号1を背負い挑んだ秋、センバツ切符はそう簡単には届かなかった。「達くんは最終回の2死からでも踏ん張っていてレベルの差を感じた。良い形で抑えていて、あのような投球が出来たら良いのかと思いました」。敗戦から収穫を持ち帰り、最後の1年に結実させる。