専大北上(岩手)が1-0で羽黒(山形)を破り、8年ぶり2度目の優勝を果たした。小5からバッテリーを組む左腕・佐藤瑠聖(るいせい)と菊池恋(れん)捕手(ともに2年)が、息ぴったりに相手打線を5安打9奪三振で完封。今夏の東北独自大会に続く「夏秋連覇」で強さを誇示した。来夏の全国選手権(兵庫・明石トーカロ球場ほか)に向け、4年ぶりの出場だけでなく、初頂点を狙える基盤の第1歩となった。

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女房役の菊池が捕飛をがっちりキャッチし、優勝をつかんだ。左手でガッツポーズしながら駆け寄る佐藤瑠とハイタッチ。「3年生がいた夏、新チームの秋と、東北2連覇。今年無敗でいけたことは来年にもつながる。声で仲間を褒めたり、楽しい雰囲気で出来たことが良かった」。1回裏に小田島悠大(ゆうと)主将(2年)の左犠飛で挙げた1点を、みんなで守り切った価値ある1勝だった。

4人の3年生が抜けて以降、送球面を中心とした守備力向上を最大のテーマにしてきた。3失策はあったが、カバーしあった完封に収穫。菊池は3回に相手三盗を強肩で封じると、5回には二塁走者をけん制でアウトに。軟式では難しい捕飛も、抜群の反応で5つも好捕した。「送球も反応も良かったし、今日は完璧でした」。高校入学後、バットにボールが当たる瞬間に、あえて大きく目を見開く訓練で、つぶることなく打球方向に瞬時に動く術を習得。相手が直球に強いことを察知すれば、カウント球も決め球も変化球を多くするなど、リードもさえた。

佐藤瑠も「打たせてとりながらも、いざというところは三振が取れた。キャッチャーを信じています」と感謝した。前日26日の準決勝では救援で6回1/3を投げ87球。志願した連投でも5安打3四死球9奪三振の完封。要所を締めた100球だった。今冬、体重も体力もトレーニングで増やし、来夏の全国大会開催を信じる。「選手権も国体も出場して、優勝を狙いたい」。結成8年目の強力タッグにとっても、大きな自信となるチャンピオンの称号となった。【鎌田直秀】