来春のセンバツ出場を濃厚としている市立和歌山が、大阪偕星学園を20安打12得点の猛打で圧倒した。来秋ドラフト候補の松川虎生(こう)捕手(2年)は、3番・捕手で先発出場し、5打数3安打をマークした。また、同候補で最速152キロ右腕の小園健太投手(2年)は登板しなかった。

貪欲に向上心を持ち続ける。この日は3安打のうち2本が得点につながったが、全て単打だった。魅力は高校通算30発の長打力。持ち味発揮とはいかず「中身が全然なので満足してないです。自分のポイントというか持ち味の長打力が出てない」と振り返った。

冬のテーマは明確に定めた。「1球で捉えること」と「自分のポイントで打つ」。今秋の近畿大会準決勝の智弁学園(奈良)戦では、相手の警戒から内角攻めに遇い、2打数1安打2四球。「甘い球が1球あるかないかくらいだった」。強打者には簡単に甘い球は来ない。警戒されているという認識と、自身打撃の課題を目の当たりにした一戦だった。

現在は確度の向上を目標に、右足の使い方を改良。左足の膝の使い方にこだわりがあったが、これにより右足に体重が乗らず、前かがみがちに。現在は「ベースの方に」と軸足内側への意識を持ち、体重移動の改善につなげた。「(今日は)1球で仕留めるところがまだまだでした」としながらも、盲点を改めたことで「しっくりきてます。軸足に周ることも意識していて、良いポイントで出来ている。新しい発見」と成長のきっかけをつかんでいる。

課題を捉えた今、目指すべき理想も明確。「警戒されている中で打てるのが良いバッターだと思う」。春の聖地を待ち構える。【望月千草】