ゆずの「栄光の架橋」が流れる中、選手たちは手をつなぎ、最後の80メートル走を終えた。「よっしゃー!」。涙があふれ出る。15日から2週間にわたった日大三(東京)の冬合宿。最終日の28日は午前5時46分、12分間走で始まった。夜明け前に選手たちの息づかいと小倉全由監督(63)の激励の声が響く。7時20分、明るみが差し始めたグラウンドで全てを終えた45人を、小倉監督は「よくやった」と心からねぎらった。

名門が誇る恒例。徹底的に追い込むため、免疫力が下がらないか? コロナ禍でやるべきか-。悩んだ末、小倉監督は決行した。早朝練習を3勤1休から2勤2休に減らした。毎朝の検温を欠かさず、練習場の換気に注意を払った。「達成感を味わい、強くなったと思って欲しい」と“地獄”の意図を説く。山岡航大主将(2年)は「やり切りました。夏に向けやっていきます」と晴れやかだった。