「夢実現」から「新たなる夢実現」へ再出発した。

前日29日にセンバツ出場を決め、春夏通じて初の甲子園に臨む柴田(宮城)が30日、岩沼市の竹駒神社で必勝祈願を行った。例年は1月頭の練習始めに同所を訪れるが、コロナ禍で密集を避けるために、初詣客が多い時期をずらし、センバツ出場校発表翌日のタイミングを選んで実施した。

創部35年目。新たな歴史を刻んでから一夜が明け、柴田ナインの表情は晴れやかだった。遠藤瑠祐玖(るうく)主将(2年)は「あまり実感はないが、目標に向けてしっかり練習しないといけない」と気を引き締めた。昨秋の東北大会は準優勝し、センバツへ大きく前進。しかし、同じ宮城の仙台育英に決勝で大敗し、地域性の観点が選出への懸念材料となり「今まで感じたことないぐらいの緊張でした」。それでも吉報が届き、「本当に選ばれたんだな」と胸をなで下ろした。

必勝祈願ではチームを代表して「新たなる夢実現」と絵馬に書き入れた。「甲子園に出る大きな夢を達成し、甲子園で勝ち続ける新しい夢ができた。それを実現する意味で書きました」。学校のキャッチフレーズは「夢実現」。今度は聖地での勝利をつかみ取る。

寮生活中の遠藤主将は、LINEで家族に出場決定を報告し「『ありがとう』という感謝の気持ちと『これからも頑張る』と伝えました」。父からは「瑠祐玖らしく頑張れ」と激励された。「るうく」の由来は「お父さんの夢にこの名前が出てきたみたいです」。父と自らの夢がつながり、最高の親孝行を成し遂げた。

平塚誠監督(48)は「新年を迎えるような、すがすがしい清らかな気持ちで、この日を迎えられました」。開幕は3月19日。大会までの約2カ月は「一番楽しみで厳しい時間になる。この時間をうまく使って生徒の心も体も成長させたい」。柴田の夢物語は第2章に突入した。【山田愛斗】

センバツ出場32校決定/学校メモ付き一覧