第93回選抜高校野球大会(3月19日開幕、甲子園)で創部100年の三島南(静岡)が、甲子園に春夏通じて初出場します。日刊スポーツ静岡版では、今日18日から連載「三島南センバツ初出場 起こせ!!南風」を始め、聖地に挑む同校の全27選手を紹介していきます。第1回は前田銀治外野手(2年)。高校通算18本塁打の強打者で、投手としても最速139キロ。投打の軸として、チームをけん引します。

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前田は約1カ月後に迫る甲子園に向け、意識を高めている。「21世紀枠に選ばれなかった他の5校の分も、全力で恥のないプレーをしたい。甲子園で100%の力を出すために、練習には120%の力で取り組んでいます」。

稲木恵介監督(41)の指示で昨秋から投手に挑戦したが、秋季大会ではフォームが定まらず、制球に苦しんだ。そのため、今冬は制球力向上を重視。直球、スライダー、カーブ、チェンジアップに続く“落ちる系”の新球種習得にも取り組み、磨きをかけている。

自慢の打撃では、昨秋の公式戦で主に3番を任され、チーム最高の打率3割6分4厘を記録。長打力も高く、二塁打4本を放ち、実力を発揮した。それでも「打率に関しては、バントが安打になることが多かっただけ。甲子園では、しっかりと打って結果を出したい」。打撃フォームはプロ野球巨人の丸佳浩外野手を意識。肩の力を抜き、スイング時に無駄な動きが出ないように心がけている。

小学生のころは、サッカーや陸上、水泳などにも取り組み、身体能力は高い。周囲からの期待も集まるが「このチームは、みんなで助け合っている。県大会で自分が打てない時は、他の選手が打ってくれて勝てた。自分たちは絆が強いと思うので、落ち着いてやれば甲子園でも十分に戦えるはず」。仲間への信頼を強みにし、全員野球のけん引役となる。【河合萌彦】

◆前田銀治(まえだ・ぎんじ)2003年(平15)11月19日、三島市生まれ。沢地ジュニアスポーツ少年団でソフトボール、中学進学後、スルガマリンボーイズで野球を始める。三島南高では前チームからメンバー入り。右投げ右打ち。182センチ、88キロ。血液型AB。家族は両親と姉、兄。将来の夢は消防士。