第93回選抜高校野球大会(3月19日開幕、甲子園)で創部100年の三島南(静岡)が、甲子園に春夏通じて初出場します。連載「三島南センバツ初出場 起こせ!!南風」で、聖地に挑む同校の全27選手を紹介していきます。

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打力が持ち味の稲村仁外野手(2年)は、昨年の秋季大会で3試合に出場。すべて代打起用だった。だが結果を残せず、いまだ公式戦無安打。甲子園での初安打を目指し、日々バットを振り続けている。「練習では、常に得点圏の場面をイメージして打席に入る。甲子園は憧れの場所なので、そこで打ちたいです」。

大平中(沼津)時代は、同校野球部と並行して韮山シニアにも所属。しかし、シニアチームではメンバーが集まらず、稲村1人だけだった。それでも、週1回の練習に毎週参加。孤独を感じ、辞めようと思ったというが「高校でも野球をやりたかったので、硬式を続けた」と振り返った。

その経験から、三島南での現在に「みんなと野球ができて楽しい」と笑顔。仲間と臨む大舞台に向け「これまで応援してくれた方々や、野球教室に来てくれた子どもたちが期待していると思う。それに応えるプレーをしたい」と、意欲を高めている。【河合萌彦】

◆稲村仁(いなむら・じん)2003年(平15)7月28日、沼津市生まれ。小4から沼津リトルで野球を始める。三島南高では昨秋からメンバー入り。右投げ右打ち。172センチ、78キロ。血液型B。家族は両親と祖父母、姉、弟。名前の「仁」は、仁王(におう)のようにたくましくなってほしいという思いからつけられた。