センバツ優勝候補の大阪桐蔭は王道を行く。初戦は第4日2試合目で、昨秋近畿大会決勝で敗れた智弁学園(奈良)といきなり激突。相手として不足はない。主将の池田陵真外野手(2年)は「非常にいいチーム。投手を中心につながりのある野球で非常に打撃がいい。自分たちの足とか声を武器に戦っていけたらいい」と気合を込めた。

投打ともにバランスの取れたチーム構成で、実力は出場32校でもトップクラスだろう。左腕の松浦慶斗投手は最速150キロを誇り、154キロの剛腕右腕、関戸康介投手(いずれも2年)とともにダブルエースが魅力的だ。打線も公式戦打率5割超えの池田を筆頭に宮下隼輔内野手、前田健伸内野手(ともに2年)ら猛者ぞろい。昨秋の近畿大会は準優勝だったが、V候補だ。

昨夏の甲子園交流試合に出場したが、正式大会は春夏連覇した18年以来、3年ぶり。役者がそろう最強軍団が聖地に帰ってくる。この日、代表取材に応じた西谷浩一監督(51)は言う。

「秋に負けた智弁学園に、ひと冬やってきたことをしっかり出し切りたい。秋、負けた悔しさをどれだけできるかという場になる。智弁学園は投手も打者も前チームから経験者が多く、近畿でNO・1になったチームなのでそんなに簡単に勝てる相手ではない。しっかり粘り抜いて勝ちたい。西村投手がエースと思っている。しっかり攻略したい。打線は誰をというわけではないが、いい打者が多いので流れを作らせないように分断したい。キャプテン池田を中心に相手としっかり組んで、粘り強く戦えるか。しっかり準備したい」

1月4日の新年始動時も「久しく甲子園に行けていない感覚。2年分の思いを持って暴れたい。春夏の日本一を達成できるように」と話しており、意気盛んだ。

今季は抜きん出た投打だけでなく、例年以上に機動力を生かせる特長がある。指揮官は「足を使える子は今までで、私がやったなかで一番ある。それも1つの武器。走塁面も今年のチームの武器」と話す。野間翔一郎外野手(2年)は昨季の実戦で33盗塁。繁永晟内野手(2年)も14盗塁だ。どこからでも仕掛けられる脚力もあり、強みは多い。

春夏の甲子園初戦は過去20戦で19勝1敗。02年に敗退した1度だけで、目下17連勝中だ。3度目の春夏連覇への第1歩。走攻守に秀でたタレント軍団が聖地を席巻する日は近そうだ。【酒井俊作】

▽智弁学園・小坂監督(06年の監督就任後、公式戦5戦全敗だった大阪桐蔭に昨秋近畿決勝で初勝利)「大阪桐蔭は目指しているし、倒したいチーム。かつてのPL時代のように今は大阪桐蔭の時代と言われています。優勝するためには倒さなければならない相手。いろいろ仕掛けていきたい」

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