九州王者を争った2校が、聖地で激突する。第93回選抜高校野球大会(3月19日開幕、甲子園)の組み合わせ抽選会が23日、史上初のオンラインで行われた。昨秋九州大会Vの大崎(長崎)は、大会第3日(21日)に登場。相手は昨秋の九州大会決勝で戦った福岡大大濠。同決勝はともに控え投手登板で、最速139キロ右腕の大崎・坂本安司(2年)と最速140キロ左腕、福岡大大濠・毛利海大投手(2年)のエース対決実現なるか注目される。

  ◇   ◇   ◇

九州王者の大崎は、福岡大大濠との昨秋九州大会決勝の再現を引き当てた。オンラインで抽選会に臨んだ主将の秋山章一郎外野手(2年)は、緊張の面持ちで“因縁の相手”との初戦に「冬を越えて力をつけて来ていると思うので、しっかり自分たちの野球ができればと思う」と気持ちを引き締めた。

もちろん、警戒の色は強めている。「1度対戦させていただき、左右どちらもいい投手がいた。長打を打てるバッターもそろっているのが印象的」。昨秋の九州大会は5-1で制したが、両校ともにエースの登板はなし。福岡大大濠はドラフト候補の毛利を擁しており、いかに攻略するかが大きなカギとなりそうだ。

大崎も当然、エース坂本の出来がカギを握る。制球抜群の直球はパワーアップ。甲子園では球速145キロ到達を目指している。さらに、清峰と佐世保実で甲子園出場実績を持つ清水央彦監督(49)から教わり、投球の幅が広がったという決め球カットボールのキレが生命線。さらなる向上のため、重さ5キロの丸いダンベルを中指、ひとさし指、親指の3本だけで持ち上げて鍛えた。体重も3キロ増の76キロ。ひと冬越えてパワーを増した坂本が、エース対決に挑む。【菊川光一】

◆九州大会決勝VTR 大崎が5-1で福岡大大濠を下し初優勝。ともにエースを控えに回し、福岡大大濠は森本投手、大崎は勝本投手の1年生が先発。3回まで1-1で進んだが、大崎が4回2死二塁、9番・山口内野手の右前適時打で勝ち越し。5回1死満塁から押し出し四球、スクイズで2点を奪い主導権を奪った。福岡大大濠は1回の先制ソロ以降、勝本の前に打線が沈黙、2回途中の森本の降板も響き、3投手リレーで踏ん張れなかった。

◆九州対決は史上4度目 センバツで九州勢同士が初戦で当たるのは初めてだが、初戦に限らなくても通算4度目と意外に少ない。過去3度は58年準決勝の済々黌5-2熊本工、95年2回戦の日南学園6-2熊本工、05年準々決勝の神村学園3-2沖縄尚学。

センバツ組み合わせ一覧はこちら―>

センバツ出場校完全データはこちら―>