エッ、いきなり決勝カード!? 第93回選抜高校野球大会(3月19日開幕、甲子園)の組み合わせ抽選会が23日、オンラインで行われ、1回戦から優勝候補の大阪桐蔭と智弁学園(奈良)の近畿勢対決が決まった。大阪桐蔭は最速150キロ左腕の松浦慶斗、154キロ右腕の関戸康介(ともに2年)のダブルエースが軸。昨秋の近畿大会決勝の雪辱を果たし、3度目の春夏連覇を目指す。智弁学園(奈良)は高校通算30本塁打の前川右京外野手(2年)がけん引。日本高野連は観客数を制限して開催する準備を進めており、開催が正式決定すれば19年夏以来となる。

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春の舞台は、大阪桐蔭との再戦で始まる。智弁学園・前川は「監督に甲子園のバックスクリーンに本塁打を打つように、と言われました。それを初戦から出したい」と、高校通算30発の強打者ならではの夢を描いた。

小坂将商監督(43)は常々「飛ばす力は岡本(和)以上」と、同校出身の巨人の主砲を引き合いに出す。「バックスクリーン指令」を出したのは今年の年明けで「岡本にそう言って実際に甲子園で打ってプロに行きましたから」。岡本は14年センバツ1回戦(三重戦)の初打席にバックスクリーン弾。ドラフト1位の評価を不動のものにした。同じ道のりを歩いてほしいという思いからの激励だ。

昨夏の甲子園交流試合で前川は中京大中京(愛知)の高橋宏斗(中日)から1安打。「これがドラフト1位でプロに行く投手の球だと。ああいう球を打っていかないといけない」。夏の経験を秋につなげ、近畿大会決勝は大阪桐蔭・松浦から中前打、関戸から場外弾を放った。「今日の昼食の時間から(大阪)桐蔭とやりたいな、とみんなに声をかけていた。(秋の勝利が)まぐれだと言われないよう甲子園でも桐蔭に勝ちたい」。世代を代表する強打者が、勝利を呼ぶ驚弾を放つ。【堀まどか】

◆VTR 智弁学園は1回、5番三垣の左翼線二塁打で2点先制。3回には4番山下が左中間へソロ本塁打を放つなど、大阪桐蔭の先発松浦から5回までに7安打で4点を奪った。7回には3番前川が関戸から右翼場外へ高校通算29本目の本塁打を打ち、突き放した。左腕エース西村は9安打を許したが、3失点(自責点2)で完投勝ちした。

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