第93回選抜高校野球大会(3月19日開幕、甲子園)で創部100年の三島南(静岡)が、甲子園に春夏通じて初出場します。連載「三島南センバツ初出場 起こせ!!南風」で、聖地に挑む同校の全27選手を紹介していきます。

    ◇    ◇    ◇  

古川龍内野手(2年)は、先月29日のセンバツ初出場決定時を振り返り、改めて気を引き締めた。「当初は実感がなかったが、今は危機感と責任感がわいている。全国の強豪校と同じ土俵に立つので、何よりも自分の技術を上げていかないといけない」。

元々は投手だったが、昨年5月に右肩を痛めて投手継続を断念。昨秋の新チーム結成時から本格的に野手へ転向した。だが、公式戦では不安が大きく「守備でミスをしないように必死だった」と振り返る。打撃では9番を担い、「上位打線へ、どんな形でもつなぐことはできたと思う」と胸を張った。

とはいえ、秋季大会では長打がなく「パンチ力が課題だった」と反省。今冬は打力向上を目指し、毎日バットを振り込む。朝は授業前の自主練でティー打撃。帰宅後には約30分、その日の練習で打てなかった球種やコースを意識して、素振りを行っている。

1次登録では背番号4を与えられたが、まだレギュラー確定ではない。「投手をやめて二塁手でやっていくと決めた以上、誰にもポジションを譲りたくない」と闘志を燃やす。その上で、甲子園に向け「フォア・ザ・チームの精神でやる。目立つことより自分のプレーが関わって勝てたらうれしい」と目を輝かせた。【河合萌彦】

◆古川龍(ふるかわ・りゅう)2003年(平15)8月19日、伊東市生まれ。小1から富戸ジュニアで野球を始め、対島中では投手。三島南高では、昨秋からベンチ入り。右投げ右打ち。168センチ、61キロ。血液型O。家族は両親と弟2人。投手だった中2冬に、テレビ番組の収録で対島中へ訪れたタレント出川哲朗と1打席勝負を行い、内野ゴロに抑えた。