八戸西(青森)の主砲、広田大和外野手(2年)がチーム打率3割5分1厘の打線をけん引する。「4番だけど、つなぐ意識で打席に立っている」。昨秋は県大会、東北大会の全9試合に先発出場。チーム最多の2本塁打を放ち、打率も5割4分3厘をマークした。それでも、「納得はしていない。強い打球が少なかった」と気の緩みは一切ない。今冬は「ボールをしばくイメージ」でバットを振り込み、さらなる上積みを目指す。

実家は八戸市内にある浄土真宗本願寺派の本覚寺。幼少期から小学4年までは座禅を組むのが日課だったという。「自然と心が落ち着くようになって、冷静に打席にも入れている」と効果を実感する。将来は隣接する保育園の園長先生になることを志す。

手厚いサポートに一振りで応えてみせる。小川貴史監督(37)が勤務する八戸高等支援学校の生徒たちとは交流関係にある。野球部の傷んだボールの修復作業を手伝ってもらっている。選手たちは1球1球に感謝の気持ちを持ちながら、打撃練習で汗を流す。広田は「自分たちの力だけでは甲子園に行けなかった。プレーで感謝の気持ちを表現したい」と恩返しを誓った。【佐藤究】

◆広田大和(ひろた・やまと)2003年(平15)10月28日生まれ、青森・八戸市出身。小4から柏崎ブレイヴスで野球を始め、中学は八戸三中軟式野球部に所属。八戸西では2年夏からベンチ入り。175センチ、82キロ。右投げ右打ち。遠投105メートル。好きなプロ野球選手は日本ハム中田翔。