関東王者の高崎健康福祉大高崎(群馬)は、持ち味の「強打破壊」で初戦を突破した。8安打で、6得点を奪った。

0-0で迎えた2回1死一塁、7番の伊藤翔哉内野手(3年)が、狙っていた直球をとらえる二塁打を放ち、先制点を挙げた。伊藤はベースの上で大きく両手を上げ、喜びを表現。「(先発の)高松が粘って投げてくれたので、打撃陣も何とか粘って打とうと思っていました。甘い球で、しっかり自分のスイングができた。初めての甲子園で初めてのヒットがタイムリーだったのでうれしかったです」と振り返った。

執念でたどり着いた「5番三塁」のスタメンだった。今年1月下旬に、階段を踏み外して右足首の靱帯(じんたい)を負傷。ギプスをつけ、松葉づえでの生活が2週間続いた。練習には参加し、ティー打撃のボールを出すなど裏方の仕事もこなした。同時に、上半身のウエートトレーニングも欠かさなかった。

右足はすっかり細くなってしまったが、ギプスが外れてから懸命にリハビリ。青柳監督は「本来は(センバツに)間に合わないかと思った。ぎりぎりまで、ベンチに入れるかどうか迷った。まだ完全じゃないが、ここにくるまでに(本人が)いろいろ努力した」と評価した。

今年は「強打破壊」と打力が持ち味のチーム。大舞台で見事に結果を残した伊藤は「チームが勝てるように、それに貢献できるように試合に臨みました」と笑顔だった。【保坂恭子】

◆初出場から7連続初戦突破 高崎健康福祉大高崎が初出場から春夏通算7度の甲子園出場ですべて初戦突破。初出場からの初戦7連勝以上をマークしたのは7校目。