静岡県大会(来月24日開幕)出場校が出そろった。中部地区では、静岡高が5-1で島田に快勝し、3大会ぶり45度目の県切符獲得。この試合が同校での公式戦ラスト采配となった栗林俊輔監督(48)が、有終の美を飾った。この日勝利したチームと推薦の三島南を加えた計25校が、県大会に出場する。

静高ナインが、笑顔で指揮官を送り出した。1-1の8回1死一、二塁で、1番渋谷泰生内野手(3年)が、中前の決勝適時打。それまで打ちあぐねていた相手投手をついに捉え、「うれしかった」と笑みを浮かべた。これまでは栗林監督から精神面の弱さを指摘されてきたが、重圧のかかる場面で結果を残した。今後に向け「逆境をはね返す力をつけていきたい」と抱負を語った。

「最後ということで、選手に重荷を背負わせたかな」と指揮官。それでも、勝利した教え子たちに「たくましくなった」と成長を実感。13年間率いた名門を離れることに、寂しげな表情を見せたが「現在のチームには期待感が大きい。新監督の下、ぜひ夏の甲子園で校歌を歌ってほしい」と前を向く。試合後は選手たちと記念写真に納まり、「自分はここの卒業生ではないが、静岡高校に育ててもらいました」と感謝の意を表した。【河合萌彦】