八王子北が三重殺を1試合2つ、達成した。

まずは、0-0で迎えた2回裏の守り。先頭から連続四球で無死一、二塁を招いた。続く東海大菅生・多井耶雲内野手(2年)が二塁へハーフライナー。走者は2人ともスタートを切っていたため、戻れなかった。二塁、一塁と転送され、トリプルプレーが完成した。

さらに、0-4で迎えた7回裏の守り。先頭から安打、四球で無死一、二塁。ここで、次打者の鈴木悠平外野手(3年)は三ゴロ。三塁手が三塁を踏み1アウト。二塁に転送し、2アウト目。その際、一塁走者が二塁手と交錯。ボールは一塁に転送はされなかったが、一塁走者の行為が守備妨害と判定され、打者走者もアウトとなった。

八王子北・内田健太郎監督は「選手たちは普段、野球を頑張っている。おみやげかなと思います。ただ、守備で乱れたら終わりとは話してました」と振り返った。

一方の東海大菅生・若林弘泰監督は「トリプルプレーすら初めてなのに、1試合2つなんて」と苦笑いだった。最初のプレーはエンドランではなく、二塁走者が投球を盗んで走り、それを見て、一塁走者もスタートを切ったものだった。打者の多井は、カウント0-2から打ってハーフライナー。若林監督は「しょうがない。でも、二ゴロを打たないと」と複雑な表情だった。

不満は2つめのプレーに残った。相手の伊藤智哉投手(2年)は左の軟投派。鈴木悠が無死一、二塁で三ゴロとなったことに「右打ちをしないと。フルスイングで三ゴロになっちゃいけない、と言っていた。左投手は、スライダーやカーブをフルスイングさせ、いい当たりの三ゴロを狙ってくる。その通りになった」と反省を求めた。