昨秋東京大会準優勝の日大三が堀越相手に、敵失に乗じながら13安打で10得点を奪い、6回コールド勝ちした。

先発の左腕・宇山翼投手(3年)が初回のピンチを切り抜け、その後は徐々にペースをつかんだ。立ち上がり2死から四球を与え、堀越の4番田倉正翔外野手(3年)の平凡な遊ゴロを鎌田慎也内野手(3年)が失策。2死一、三塁とされたが、後続の5番佐藤輝飛内野手(2年)の一、二塁間の打球を主将の山岡航大内野手(3年)が冷静に処理して無失点に抑えた。

その後は先制タイムリーを放った安田和輝捕手(3年)のリードで、高めに抜け気味だったストレートも低めに決まりだし、スライダー、チェンジアップ、カーブとストレートのコンビネーションで堀越打線に決定打を許さなかった。安田は「立ち上がりにストレートが高めに行くことがあります。そういう時はスライダーを多めに投げていけば、少しずつストレートの感触が良くなるので、今日はそういうところが良かったと思います」と、尻上がりに調子を上げた宇山のピッチングを振り返った。宇山は6回を3安打3四死球8奪三振無失点という内容だった。

堀越は遊撃手の加藤春人内野手(2年)が3回途中に交代するまで3失策を重ね、本来の力を発揮できなかった。小田川雅彦監督(64)は「バッティングがいい子なので起用したのですが、裏目に出てしまいましたね」と、言葉を選びながら強豪校相手に守りでつまずいた2年生への思いを口にした。

小田川監督は「個人ノックなど時間がかかる練習が不足していました。学年別の練習や、午前、午後と時間を区切るなど、感染症対策をしてきましたので、シートノックやフリー打撃しかできませんでした」と率直に言い、昨年から続く感染症対策によって練習が制限され、基本技術の不足が大きな課題という認識を示した。

最後も8点差の6回2死二、三塁で、内野ゴロを後逸して2点を加点されてのコールド負け。小田川監督は「試合になりませんでした。ショートがエラーしても周りがカバーした日大三高さんと、カバーできなかったうちの差だと思います」と、実直に試合を振り返った。