秀明英光に、今秋ドラフトの隠し玉になる逸材がいた! 春季高校野球の埼玉大会が23日開幕し、最速142キロ右腕の岩井裕貴投手(3年)の初戦越ケ谷戦に、5球団のスカウトが集結した。9回を被安打5、7奪三振で完封勝利。「どうにかして、プロに行きたい。日本で一番高いレベルで野球をやりたいです」と力強く話した。

2回無死一、二塁のピンチを切り抜けると「よっしゃー!」と声を上げた。左打者の内角へ、強気でサークルチェンジを投げ込む。変化球はカーブ、スローカーブ、チェンジアップに加えて、スライダーとカットの中間の魔球「スラッター」を操る。「左打者の方が、得意です」と笑う。

序盤はぬかるんだマウンドに苦戦したが、徐々に安定し4回以降は無安打に抑えた。スカウトのスピードガンで、この日は最速137キロ。練習を視察している球団もあり、日本ハム今成スカウトは「直球と変化球のコンビネーションをうまく使えている。1番はコントロール。ちゃんとコースに投げ分けている。とてもいい素材」と評価する。

本人は、足元を見つめて「体作りと、球速とあと5キロ上げたい」と目標を掲げる。成長に要注目だ。【保坂恭子】