藤枝明誠(中部3位)が、浜松工(西部5位)を2-0で下し、初の決勝進出と東海大会(20日開幕、三重県)初出場を決めた。先発・山田蓮投手(2年)が、8回5安打無失点11奪三振の快投を見せ、県大会の秋春連覇に王手をかけた。掛川西(西部1位)は、静岡高(中部1位)に5-4で逆転勝ち。最速140キロ超コンビの榊原遼太郎(3年)と沢山優介(3年)の投手リレーで、伝統校対決を制し、東海大会出場権を得た。決勝戦、3位決定戦は、5日に草薙球場で行われる。

藤枝明誠の山田が、起用に「満点快投」で応えた。地区予選を通じて今大会3度目の先発を任されたのは、初の東海切符を懸けた準決勝。それでも「緊張よりわくわく感の方が強かった。『やってやるぞ!』という気持ちだった」との言葉通り、マウンドで躍動した。自己最長の8回を投げ、5安打無失点11奪三振。「出来すぎ」と、本人もびっくりの好投を披露した。

成長を示した。冬季練習では、筋トレと走り込みで下半身を強化。体重は3キロ増え、昨秋まで130キロに届かなかった直球はこの日、134キロを記録した。「真っすぐを内外に投げ込めたことが良かった」。変化球に頼り、狙い打ちされた過去の姿はない。3~5、7回と先頭打者に出塁を許したが、直球と変化球を自在に操り要所を締めた。

9回はエース小林輝(3年)が3者連続三振で締め、試合終了。勝利を見届けた背番号「10」は笑顔で整列に加わった。今大会、チームが掲げるテーマの1つ「小林を(先発で)投げさせずに勝つ」を強豪相手に完遂。光岡孝監督(42)も「よく頑張った。十二分に合格」と、絶賛した。

決勝は掛川西と対戦。山田は「しっかり準備をしたい」と頼もしかった。2本目の柱として台頭を始めた2年生右腕の好投は、夏の県大会に向けても大きな収穫となった。【前田和哉】

◆山田蓮(やまだ・れん)2005年(平17)1月9日、焼津市生まれ。小1から小川BBCで野球を始め、中学時代は小川中でプレー。プロ野球楽天の牧田和久投手と、はとこ(祖父同士が兄弟)。家族は両親と兄、姉。180センチ、71キロ。