藤枝明誠(中部3位)が、決勝で掛川西(西部1位)を3-2で退けて初優勝し、県大会の秋春連覇を達成した。

昨秋は控えだった山田蓮投手(2年)や中野夢都(ゆうと)内野手(3年)らが、今大会で台頭。選手の底上げが成功したことでチームが活性化し、好結果に結びついた。決勝を戦った両校が出場する東海大会は、11日に組み合わせ抽選を行い、20日に三重県で開幕する。

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藤枝明誠が、選手層の厚さを武器に頂点の座をつかんだ。先発のエース小林輝(3年)が、4回の守備で負傷し降板。それでも、5回から登板した2番手・山田が、冷静に対応。8回まで掛西打線を散発2安打に抑えた。9回に3安打を集中され1失点したが、最後の打者を投併に打ち取り、初優勝を決めた。

3日の準決勝・浜松工戦で8回無失点の好投。自信を持って、決勝のマウンドへ上がった。「チームを勝たせる気持ちで登板した。今日は変化球でカウントをとれてよかった」。昨秋は、東海大会からベンチ入り。冬の下半身強化で直球に力をつけ、今春に開花。「これまで公式戦で投げることはほとんどなかった。成長できた大会でした」と充実感を漂わせた。

中野はこの日、1-1同点の8回1死二、三塁で、「山田が必死に投げていたので、絶対に走者をかえす意識」で打席に。相手投手の暴投で勝ち越し点が入ったが、気持ちを切らさずに投手強襲の適時打を放った。控え捕手だった秋の東海大会終了翌日、自らの意思で三塁へ転向。持ち味の打力でレギュラーに定着し、県大会5試合で8打点の活躍。チームの課題だった、得点力不足解消に貢献した。

2季連続で県1位での東海大会出場。光岡孝監督(42)は「秋は初戦敗退(2●3岐阜第一)し、申し訳なさを感じた。今度は1つでも勝ち、秋からの成長を示したい」と意気込む。秋に残した宿題を片付けて、夏への弾みにする。【河合萌彦】