花咲徳栄(埼玉)先発の松田和真投手(3年)が7回を投げ4安打1失点と好投。打線も1回戦の8安打10得点に続き、10安打7得点で投打がかみ合い準々決勝進出を決めた。

雨が降る中で始まった試合。グラウンド状態が悪い中でも、持ち前の力強い真っすぐを中心に粘り強く投げた。前日の1回戦も先発し、4回を投げ2安打無失点と好投したが「抜け球が多かった」と反省。体の開きを修正し、テンポよく低めに集めた。

おおらかで芯は強い「道産子魂」が松田を奮い立たせる。出身は、北海道の十勝地方。小2で野球を始めたが、雪深く長い冬は毎日のようにスキーで遊び、足腰を鍛えた。「帯広は豚丼や海鮮、乳製品。おいしいものがたくさんあるので、小さいころからたくさん食べて大きく育ちました」と優しい笑顔を浮かべる。しかし、ひとたびマウンドに上がると、内に秘めた闘志が湧き上がる。ときにはマウンドで雄たけびを上げながら、気迫あふれる強気な投球で圧倒する。「花咲徳栄は、強打のチームと言われますが、投手が抑えないと勝てない。しっかり投げようと、いつも気持ちを切らさないようにしています」。北の大地が生んだ花咲徳栄のエースが、力強く勝利を呼び込む。

次は準決勝。常総学院と対戦する。松田は「優勝が目標。今大会で、もう一段階、強くなって夏を迎えたい」と、力強く話した。【保坂淑子】