大阪桐蔭が先発全員安打&打点で圧勝し、3年ぶり12回目の優勝を果たした。4番の花田旭外野手(3年)が本塁打、三塁打、二塁打とサイクル安打目前の大暴れ。先発川原嗣貴投手(2年)が7回無失点、最速154キロ右腕でプロ注目の関戸康介投手(3年)も2回無失点と完封リレーを決めた。大阪桐蔭は22日開幕の近畿大会(滋賀・皇子山)に出場する。

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猛攻で春の大阪で頂点に立っても大阪桐蔭ナインは普段通りに勝者の列に並んだ。22安打16得点の大勝にも甲子園で2度の春夏連覇に導いた西谷浩一監督(51)は冷静だった。

「どんな大会、試合でも勝とうと思ってやっているので。勝つことに意義がある。夏、勝てるチーム、メンバーを作っていきたい」

強力打線の象徴が今大会から4番に座る花田だ。1回は左翼に先制適時三塁打。2回も非凡さを示した。内角低め速球に腕を畳みながらミート。左中間フェンス直撃の適時二塁打だ。トドメは7回、左翼に2ラン。単打が出ればサイクル安打だった8回は二飛に倒れてたが、3安打4打点と大暴れだった。

花田は「(記録は)何も気にしてなかった」と笑う。高校通算9本塁打目だ。昨年まで合計4発。下半身強化に成功し、3月以降の実戦でアーチ5本を量産する。今春のセンバツ智弁学園(奈良)戦で安打を放つも、チームは完敗。悔しさをともに背負う。

センバツの試合直後、西谷監督はナインに問うた。「このままでは大阪も勝てない。ましてや日本一なんて程遠い。日本一になる気持ちが本物か、確認してくれ」。5回終了後の降雨で1時間53分の中断後も、容赦なく得点を重ねた。猛打&完封がナインの答えだ。【酒井俊作】

○…近大付は序盤の猛攻で圧倒された。先発の山田大聖投手(3年)が1回に5失点。2回途中からの継投でも流れを変えられず、大量16失点。藤本博国監督(49)は「いろいろと勉強させてもらった。前半バタバタと点を取られて主導権を握られてしまった。捕手はかなり苦労して受けていた。良かったところをピックアップして投手力の整備につなげたい」と受け止めた。山田は前日15日の桜宮戦で9回で148球を投げていた。

▽大阪桐蔭・関戸(8回から救援して4者連続奪三振の2イニング無失点)「ストレートで三振を取れたのは自分としては良かった」