重量感のある剛速球は高校球界屈指だ。享栄(愛知)・肥田優心投手(3年)が非凡さを示したのは、5月22日の東海大会、藤枝明誠(静岡)戦。9回3失点完投。NPB球団スカウトのスピードガンは自己最速の152キロをマークした。

「身長が他の投手と比べてない分、下から浮き上がる速球を目指してやっています」。身長172センチ。お手本は西武平良だ。「身長は高くないですが、パワーピッチャーですから」。173センチの平良は今季、救援で日本タイ記録の38試合連続無失点をマーク。剛腕が、発奮材料になっている。

5月2日の春季県大会決勝では5回2死二塁で救援し、4回まで5得点の愛工大名電を封じた。大藤敏行監督(59)も「空気がガラッと変わった。球の力、人間的にも強い」と評価する。スプリット、カットボールなども駆使。「球速をもう一段階上げたい。常時150キロを超えるような」と力を込めた。