今秋ドラフト候補で最速154キロ右腕の高知・森木大智投手(3年)が3日、大阪・大東市立龍間運動広場で行われた練習試合の大阪桐蔭戦に先発し、7回3失点だった。最速152キロで、9安打11奪三振。痛打されたが、大阪桐蔭打線を圧倒する場面が目立った。

切れ味鋭い速球やスライダー、スプリットも交ぜ、2回から上位打線を3者連続空振り三振だ。プロ注目の池田陵真外野手(3年)は4打席4三振で「真っすぐを含めて変化球の精度も高い。普通の投手より、すごく伸びて圧もある」と証言し、3三振の野間翔一郎外野手(3年)は「すごくいい。スピードで抑えられる」と話す。野間は森木降板後の9回に本塁打を放っており、三振が際立った。

10月のドラフトは上位候補の位置づけだ。この日はプロ12球団スカウトが集結し、49人が目を凝らした。非凡さは球速にも出た。平均で140キロ台後半だ。ソフトバンク永井編成育成本部本部長兼スカウト部部長は「フォームのバランスがいい。(上位は)間違いない」と評すれば、中日米村アマスカウトチーフは「5回でも147出ていた。スタミナは心配していない。先発完投型。(市和歌山)小園と森木が群を抜いている」と話した。阪神は嶌村球団本部長ら11人態勢。オリックス福良GMやヤクルト小川GMら、幹部も動きを追った。

チームの生命線の奮闘に浜口佳久監督(46)は「差し込んだ球もあった。あとは安定力です」と手応えを口にした。大阪桐蔭との初顔合わせで力を発揮。甲子園で輝くため、いまは技量を磨き抜く。【酒井俊作】

▽阪神山本スカウト 初回は力んでいたが、カットボール、チェンジアップなど変化球もよかった。最後の回は変化球を交えてきっちり投げていた。よかった。

○…野球研究のフロンティアが森木の剛腕ぶりに太鼓判を押した。野球の新しい教科書的ウェブサイト「ベースボールギークス」を手がけるネクストベース(本社・東京)が球場を訪れ、球の弾道を測る「ラプソード」を用いて森木のブルペン投球の球筋を分析した。森本アナリストは「回転数と回転軸の組み合わせで球の変化、伸びを見ましたが、プロ並みです。高校生離れしているデータがある。ホップ成分があります」と説明。同社は大阪桐蔭や高知をサポートし、この日は大阪桐蔭の松浦、関戸康介投手(3年)らにも助言した。