日本文理の主将、渡辺暁仁左翼手(3年)が復活を懸けて夏に挑む。6番に入った春季県大会は6打数1安打1打点と不振で、チームは4回戦で敗退した。復調の手応えをつかみ、昨秋以来の「4番」復帰をアピール。19年夏以来の甲子園を目指し、14日の初戦2回戦、新発田中央戦から猛打でチームをけん引する。

いつもはきまじめな渡辺が堂々と主張した。「夏は4番を打ちたい」。4回戦で敗退した春季県大会後の練習試合では3番に入ることが多かった。ここにきてマルチ安打を記録するなど調子は上がっている。

日本文理は今大会ノーシード。初戦は好投手、長谷川翔午(3年)を擁する新発田中央と対戦する。同ブロックには関根学園、中越、帝京長岡など強豪がそろった。「練習試合では先制、中押し、ダメ押しをみんなで意識してきた」。激戦区を勝ち抜くため、結果でチームを引っ張る覚悟だ。

春季県大会の打順は6番。3試合で1安打、長打なしと不振だった。「打席で考えすぎた」と言う。凡退を重ねるたびに、焦りが増す悪循環にはまった。大会後、プロ野球、広島鈴木誠也のフォームを手本に下半身の使い方を意識。スイングはコンパクトに鋭く。春先に取り組んだノーステップをやめて、ステップするようにした。

もともと長打力には定評がある。昨秋県大会(準々決勝敗退)では4番に座り、4試合で13打数4安打で本塁打2本を含む6打点をマーク。「4番を任せるかどうかは状態次第」と言う鈴木崇監督(40)は「二塁打以上を求めている」と期待を寄せる。

日本文理は19年夏を最後に春、秋を含めて県制覇から遠ざかる。1年生の夏に応援メンバーでスタンドから見た甲子園の光景が目に焼きつく。「甲子園で勝つのが自分たちの目標。1戦1戦大事に戦う」。主将、そして主砲として、チームと自身の復活へ夏に臨む。【斎藤慎一郎】

◆渡辺暁仁(わたなべ・あきと)2003年(平15)10月14日生まれ、阿賀野市出身。保田小6年の時に全阿賀野ジュニアのメンバーとして全日本学童軟式大会で3位に。安田中では少年硬式野球のNGM(新津・五泉・村松)に所属し、2、3年の時に全国大会出場。日本文理では1年秋に初のベンチ入り。183センチ、79キロ。右投げ右打ち。