高校野球福岡大会は14日、各地で3回戦が行われた。県内唯一の女子硬式野球部とアベック甲子園を目指す折尾愛真は、豊国学園に13-3で6回コールド勝利で4回戦進出を決めた。

今夏は、初めて女子高生の硬式野球の決勝戦が甲子園で開催される。先に全国への切符を手にした女子に負けじと、男子も3年ぶりの聖地を目指す。

折尾愛真が3度の集中攻撃を見せた。まずは初回に4安打4得点の先制パンチ。4回には2安打5四死球とつないで、中押しの4得点。6回にはダメ押しの5点を奪った。主将で4番の新井銀志朗内野手(3年)は「ここぞという時に打線がつながった。チーム一丸となって集中力が発揮できました」と、快勝に笑顔だった。

県内唯一の女子硬式野球部は、全国高校女子硬式野球選手権への出場が決定。8月22日の決勝は、大会史上初めて甲子園で開催される。先に全国への切符を手にした女子に対し、新井主将は「性別は違うけど同じ野球人なので、素直にうれしいです。刺激は受けています」と発奮材料になっている。女子が決勝へ勝ち上がり、男子とともに甲子園の土を踏めば最高だ。

クラスメートにも女子硬式野球部員がいるなど、交流も深い。「お互いに大会の時は応援しあう。学校で会った時には『おめでとう』とか言い合ったりします」と新井主将。今年はコロナ禍で対外試合ができない時期に、数回、女子対男子の控え部員で練習試合も行った。奥野博之監督(51)は「ベンチの子も試合経験が積めるし、女子も力がつくのでお互い良かったです」と、相乗効果を話した。

プロ注目のエース右腕、稲川竜汰投手(3年)を温存して4回戦へ進出。新井主将は「個々の力なら厳しい。チーム一丸にならないと甲子園は遠いので、1つになっていきたい」と意気込んだ。18年以来3年ぶりの福岡大会制覇で、女子に続く。【只松憲】

 

◆全国高校女子硬式野球選手権 第25回を迎える今年は、決勝戦が大会史上初めて甲子園で開催される。開催日は全国高校野球選手権大会の休養日となる8月22日。大会は7月24日から準決勝の8月1日まで兵庫・丹波市のつかさグループいちじま球場などで開催され、40チームが参加する。折尾愛真は、7月24日に蒼開(兵庫)と1回戦を戦う。