第103回全国高校野球選手権大会(8月9~25日、甲子園)の無観客開催が検討されていることが20日、分かった。主催の日本高野連と朝日新聞社が21日に臨時運営委員会を開催。首都圏や大阪府などでは新型コロナウイルス感染者数が再び増加傾向にあり、感染力が強いとされる変異株の拡大も顕著となっている。日本高野連としては、大会開催を大前提に、第5波到来が懸念される中での実施方法を模索している。

23日開幕の東京オリンピックも無観客開催となった。五輪とは規模が大きく異なるが、このまま感染が再拡大した場合でも有観客が可能なのか、懸念は聞かれる。そこで、出場校関係者に限り入場を認める案が出ている。

一方で、日本高野連はコロナ禍での大会運営ノウハウを蓄積してきた。昨年は春夏とも甲子園を中止したが、8月にセンバツ出場32校による交流試合を開催。今春センバツの有観客実施へとつなげた。この夏も、今春センバツにならい、換気や消毒設備の強化、オンライン取材の徹底など対策を取った上で、1日1万人といった上限を設け観客を入れる案もある。春は認めなかったブラスバンド応援も認めるべき、という意見もある。甲子園は吹奏楽部の生徒にとっても、練習成果を披露する大事な場という考えからだ。

いずれにせよ、感染状況の推移を見ながら慎重に検討する。28日にも運営委員会を予定しており、早急な結論は出さないもようだ。