気負いはない。もちろん緩みもない。「縮こまらずに、元気に食らい付く」。

新津工のエース阿部拓主将(3年)は新潟産大付戦の心構えを話した。21日の練習はマシン打撃と守備練習で2時間ほど。石川浩監督(54)は「硬さはない。いつも通りの雰囲気」。準決勝に進出した03年以来、18年ぶりのベスト8もナインはリラックスムードだ。

“ミラクル”を重ねてナインは自信をつけた。3試合連続のサヨナラ勝ち。初戦の2回戦で新津南を4-3で破ると、3回戦は小千谷に9-8、4回戦は延長12回の末、柏崎工に6-5。新津南と小千谷には逆転サヨナラだ。3試合で合計32安打と打線は好調を維持している。

全体的に飛ばすことを意識してアッパー気味だったスイングを修正した。今は中堅から右狙いに徹する。大会直前に日本文理、村上桜ケ丘と練習試合した。「際どい球をカットしたり、相手が嫌がることをする」(阿部主将)と、県大会上位の常連校との対戦は刺激になった。

そんな積み重ねを形にして大会前に掲げた目標の8強入りを果たした。次の舞台は初めてプレーするハードオフ新潟。阿部主将は「楽しみ。自分たちのベストを尽くしたい」。快進撃を止めるつもりはない。【斎藤慎一郎】