全国高校野球新潟大会の準々決勝が22、23日、ハードオフ新潟で行われる。開志学園は、出場3試合で計50得点をマーク。好調打線で3年ぶりの8強入りを決めた。中学時代から同チームで3番・伊藤日汰(3年)と4番・松井貴也(3年)が打線を引っ張り初の4強入りを目指す。8強で唯一の公立校・新津工は03年以来のベスト8入り。3試合連続サヨナラ勝ちの勢いを第1シードの新潟産大付にぶつける。

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3番、4番が抜群のコンビネーションで強力打線をリードする。開志学園は4回戦まで全試合コールドで勝ち上がり計50得点という脅威の数字をたたき出した。3番を担うのが、伊藤(日)。現チーム内で唯一、1年春から公式戦出場経験を持つ。持ち味の低く鋭い打球で4番・松井につなぐ。広角への打ち分けを得意とする松井は、思い切りのいい打撃で回ってきたチャンスを的確に仕留める。4回戦までの成績は、伊藤(日)が8打数5安打でチーム最高9打点。一方松井は、本塁打を1本含む11打数6安打で出塁率はチーム一だ。

そんな2人は中学時代、長岡シニアで共に汗を流した間柄。伊藤(日)は「中学時代から松井のバッティングを尊敬してきた」と言う。打撃は得意ではなかったが、松井に勝てるようにと3年間努力した結果、松井につなぐ3番になれた事に胸を張る。松井も「(伊藤日は)チームに流れを呼び寄せてくれる」と言い、互いに認め合いチームを引っ張ってきた。

『伊藤(日)が打ったら、松井が返す』試合前にはそんな約束もしている。強い絆で結ばれた3番、4番が打線を盛り上げ、初のベスト4を目指し、準々決勝の北越戦に挑む。【飯嶋聡美】

 

○…1日1人1000本の振り込みが好調打線につながった。バッティング、ティー、スイングをローテンションで行った。開志学園就任9年目の川上大輔監督(32)は「秋の県大会では過去3番目に入るくらい、打撃に力がないチームだった」と明かす。秋の段階では『守備、小技のチーム』と考えていたが、冬場の厳しいトレーニングと振り込みでチームは急成長を遂げた。「1番は、選手1人1人が甲子園に行きたいと言う気持ちを強く持っていること」と話していた。

 

◆伊藤日汰(いとう・ひなた)2003年(平15)7月17日生まれ。長岡市出身、東北中。小2から、けいせつ野球クラブで野球を始める。中学時代は長岡シニアに所属。中2秋の新人戦で全国ベスト8。開志学園では1年春からスタメン入り。173センチ、70キロ。右投げ右打ち。

◆松井貴也(まつい・たかや)2003年(平15)8月22日生まれ。長岡市出身、長岡西中。小2から希望ケ丘ベースボールクラブで野球を始める。中学時代は長岡シニアに所属。中2秋の新人戦で全国ベスト8。開志学園では1年秋からスタメン入り。180センチ、90キロ。右投げ左打ち。