3日、第103回全国高校野球選手権大会(9日~)の組み合わせが決まった。日刊スポーツ東北版では東北各県代表校の主将と監督が語った対戦相手の印象や初戦の意気込みを紹介。ノースアジア大明桜(秋田)は第3日(11日)第1試合で帯広農(北北海道)と対戦する。

夏の甲子園に4年ぶり10度目出場の明桜は、合言葉の「一戦決勝」を貫き、春夏通じて東北勢初の全国制覇に挑む。今秋ドラフト上位候補で世代最速の157キロ右腕、風間球打(きゅうた)投手(3年)、最速143キロで遊撃手兼任の石田一斗(いっと)投手(3年)の強力2枚看板を軸に、秋田大会5試合で4失点、1失策と鉄壁を誇る。昨冬から強化してきた打撃も好調。甲子園では総合力の高さを示す。

エース風間は地方大会3試合に先発し、2完投(1完封)を含む26回3失点(自責2)、32奪三振、防御率0・69と抜群の安定感を誇る。石田一も3試合(先発2)で11回2/3を1失点、19奪三振、防御率0・77。さらに最速141キロの山本隆世投手(3年)、チーム唯一の左腕、栗城蓮投手(3年)も控える。4投手をリードする主将の中井稜貴捕手(3年)は「投手力がいいので、守備から攻撃につなげるようにしていきたい。1つ勝たないと次はない。1戦1戦が決勝戦だと思って、自分たちの野球をして優勝までいきたい」と意気込む。

打線は1番に座る中井主将が秋田大会全5試合で出塁し、チームトップの7得点、5四死球とリードオフマンの役割を果たした。打点も4番真柴育夢(はぐむ)内野手(3年)の「7」に次ぐ「6」と勝負強さを発揮。2番土居健太外野手(3年)は21打数10安打で、打率4割7分6厘とチームの首位打者として打線を支えた。1、2番コンビの働きが攻撃のカギを握る。

輿石重弘監督(58)は初戦で戦う帯広農について「力強いバッティングをする印象があります」と評価する。「甲子園は全国制覇をチームのスタートから掲げているので、先を見ずに『一戦決勝』で、6回決勝戦を戦えば全国制覇というつもりで頑張ります」。中井主将は「緊張よりも、わくわくしかないです。試合までは時間があるので、しっかり準備して、最高の状態で試合を迎えられるようにしたいです」。いざ頂点へ-。明桜ナインが1段1段、優勝への階段を上がっていく。【山田愛斗】

◆ノースアジア大明桜 1953年(昭28)に秋田短期大学付属高として開校した私立校。1983年(昭58)に秋田経済法科大学付属高、20年に現校名に改称。野球部は53年創部。生徒数は618人(女子178人)。部員は95人。甲子園は春5回、夏は10回目の出場で、夏は89年の4強が最高成績。最速157キロの風間球打ら投手陣が豊富。戦力評価B。OBはDeNA砂田毅樹、ロッテ山口航輝、元ソフトバンク摂津正ら。

★帯広農・佐伯柊主将(3年) とてもいい投手がいるということで、そこで受け身にならず自分たちの野球をしたい。まずは1勝して今までかかわってくれた多くの方々に感動を与えられるように頑張りたい。

◆帯広農 1920年(大9)に十勝農業学校として創立された道立校。生徒数は583人(女子200人)。野球部は1926年(昭元)創部。現部員は51人(マネジャー3人)。甲子園は82年夏、昨夏の交流試合に出場。1戦平均15安打の強力打線が特徴。戦力評価C。主なOBは、東京オリンピック(五輪)マウンテンバイク代表・山本幸平、リオ五輪女子7人制ラグビー代表・桑井亜乃ら。