4年ぶり10度目出場を果たしたノースアジア大明桜(秋田)の甲子園初陣は、降雨ノーゲームとなった。

4回裏を終え、帯広農(北北海道)に5-0でリードする展開も、雨脚が強まり49分の中断後、13日での仕切り直しが決まった。中井稜貴主将(3年)は「天候なので仕方がないけど、勝っていたので悔しい気持ちもある。またリセットして、チーム全員で一からやっていく」と残念そうな表情を浮かべながらも、前を向いた。

盤石な試合運びだった。初回無死一、二塁の場面。3番石田一斗内野手(3年)が、左翼フェンス直撃の適時打を放つなど、3点を先制した。続く2回には、足を絡めた攻撃を展開し、2番土居健太外野手(3年)がスクイズを決め、石田一の左犠飛で2点を追加。中井主将は「チーム全体で『ボール球は振らないでいこう』と話していたので、しっかりやることができた」。投げては先発した最速157キロ右腕、風間球打(きゅうた)投手(3年)が4回を無安打無失点の好投。毎回の4三振も奪った。風間は「雨の中で制球は悪かったけど、打たせて取ることができたし、ヒット0に抑えられたのが良かった」と振り返った。

輿石重弘監督(58)は「平常心で戦うことができた。ノーゲームになったが、良い立ち上がりだったので、次の試合でもこういう形を継続していきたい」と気持ちを引き締めた。【佐藤究】