第103回全国高校野球選手権大会(甲子園)は14日も雨天のため、3日連続で全4試合が順延となった。

3日連続の順延は、第57回大会(1975年)以来46年ぶり。今大会は開幕日も台風接近で順延されたため計4日となり、これも第57回大会の計5日以来となった。大会本部は、準決勝翌日の「休養日C」を取り消し。当初は計3日を予定されていた休養日は、準々決勝翌日の「休養日B」1日のみとなった。決勝は27日に行われる予定。

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長雨の影響が、高校球児のコンディション面に大きく及ぶことになった。高野連は「休養日A」を13日に取りやめたのに続き、準決勝後の「休養日C」も取り消した。明徳義塾の馬淵史郎監督(65)は「グラウンド状態が、一番いい状態でやらせてやりたいので、致し方ない」。神戸国際大付の阪上は「いつでも試合をする準備はできている。でも、早く甲子園でプレーしたいという思いもあります」と明かした。

選手の健康管理と暑さ対策のため、今大会から3回戦と準々決勝の間に「休養日A」を新設。1日増の計3日としたが、順延のしわ寄せを受けた。大会本部は13日の順延を決めた当初、残り2日間の休養日は維持する方針だった。しかし、15日以降の天候も不安定で苦渋の決断になった模様だ。決勝は27日予定のまま。31日にはプロ野球阪神戦が組まれている。今後も雨が続いた場合は「休養日B」を取り消すか、あるいはどこまで日程をずらせるか甲子園球場、阪神球団との話し合いになる。

女子野球も、余波を受けている。史上初めて甲子園で決勝を行う全国高校女子硬式野球選手権は、この日の順延で追い込まれた。「休養日B」の25日に開催予定の決勝を戦う神戸弘陵(兵庫)と高知中央の両校は、翌26日に愛知・瀬戸市で開幕する全国高校女子硬式野球ユース大会でも対戦予定。あと1日、順延すれば、日程的に甲子園でのプレーが不可能になり、全国高校野球選手権との「男女同日開催プラン」も模索されるなど流動的な状況に陥っている。

選手の調整も難しい。専大松戸の持丸修一監督(73)は、「室内では音も目に映る映像も違う。今日、雨がやんだタイミングを見て久しぶりに外でキャッチボールをさせたが全然違った。何とか初戦まで調整していきたい」と話した。列島各地で大きな被害を出している記録的な大雨の影響は、まだまだ続きそうだ。

◆第57回大会(75年)の順延 選手権大会で最も多い計5日順延となった。台風5号の影響で9日目の3回戦3試合が3日連続(8月16~18日)で中止に。習志野-新居浜商の決勝も台風6号のあおりで2日順延(22、23日)され、24日にずれ込んだ。習志野のエース小川淳司(現ヤクルトGM)は21日の準決勝後、肩痛を訴え投げられない状態だったが、順延のため何とか回復。決勝でも完投し、5-4の9回サヨナラ勝ちで優勝投手になった。高校野球の順延により、甲子園球場で23、24日に予定されていた阪神-ヤクルト戦は中止になった。

▽明豊・川崎監督(順延について) どこも一緒の条件ですけど、さすがに外で練習できないのは体調管理が難しいのは正直なところ。ただ、与えられた環境でどう対応していくかの勝負になると思う。

▽高川学園・松本監督(順延について) 自分たちより、応援団の方がすごく大変だろうなと思っています。我々の調整も心配ですが、応援団の心配の方が大きいです。

▽小松大谷・西野監督(順延について) 甲子園の室内も3日目なので、だいぶ落ち着いてやれています。のびのびと、注意散漫になることなくできています。

▽県岐阜商・鍛治舎監督(順延について) 貴重な経験ですね。他の選手は経験できない貴重なことなので、喜んでいこうじゃないかと話をしてますので、選手も前向きに捉えています。