専大松戸(千葉)の校歌が、初めて聖地に流れた。今秋のドラフト候補に挙がるエース右腕、深沢鳳介投手(3年)が、今大会2人目の完封勝利を決めた。センバツ準優勝で、この夏の優勝候補に挙がる明豊(大分)打線を6安打に抑え、11三振を奪った。9回136球の好投で、同校は甲子園で春夏通じて初勝利。センバツ初戦敗退の雪辱を果たした。

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深沢は、いつも高みを目指し成長してきた。幼稚園まではサッカーチームに入っていたが、小1から野球好きな父竜之さんの影響で、グラブを手にした。父とのキャッチボールが毎日の楽しみで、休日は一緒にプロ野球観戦。「小学校の時、ダルビッシュ投手と田中将大投手の日本での最後の投げ合いを見たのをよく覚えています。かっこよかった。漠然とこんな風になりたいなと思いました」。投手の魅力に引き込まれた。

中学から投手を始め、同じ上一色中の2つ上の先輩で、現ロッテの横山に憧れ、サイドスローに転向。その背中を追いかけて専大松戸に入学し、「低めに投げろ」という横山からのアドバイスを胸に、投げ続けてきた。卒業時にもらったスパイクは今でも宝物で「横山さんは目標にしている選手。いつか超えたい」。プロの舞台で活躍できる選手へ-。さらなる高みを見つめている。【保坂淑子】