浦和学院の背番号1、宮城誇南(こなん)投手(2年)は悔しさをかみ殺した。2-4の7回1死二塁に4番手で登板。後続を断ち、8回も3人で片付けた。真っすぐは130キロ台ながらピュッと伸び、変化球も切れた。打者5人をパーフェクト。だが、打線の逆転はならず、初戦で敗退した。「ずっと3年生に頼りっぱなしでした。最後まで頼りっぱなし。自分の仕事は、あまりできなかったと思います」と淡々と話した。

今夏限りでの退任を表明していた森士監督(57)と一緒にプレーする最後の試合となってしまった。「どんなときも厳しく、優しく、親身になっていただいた。感謝したいです」。今年1月には、部内で新型コロナウイルスのクラスター感染が発生。活動停止となった。先が見えない不安の中、ミーティングで森監督から言われた言葉が忘れられない。

「こんな状況だけど、絶対に諦めたら、そこで終わりだから」。

宮城は「逆境に立たされても、はい上がる力、負けない力、諦めない心を教わりました」と振り返った。今春埼玉大会優勝、そして夏も優勝で甲子園につなげた。

新チームでは、投手の柱として期待される。「まだまだ未熟で、大黒柱には程遠いです。また(甲子園に)戻ってきたとき、心身ともに成長して、勝てる投手、チームの大黒柱として機能する投手になれたらいいと思います」と決意を口にした。