星稜(石川)野球部・林和成監督(46)が22年3月31日をもって退任することが決まった。3日、同校が発表した。星稜中野球部田中辰治監督(44)が後任となる。

林監督は星稜OBで、選手時代は甲子園に春夏合わせて3度出場。1学年上には松井秀喜氏が在籍していた。日大を経て98年から星稜野球部のコーチを務め、11年4月に監督に就任。13年には就任後初めて夏の甲子園に出場。19年にはエースの奥川恭伸投手(20=ヤクルト)を中心に準優勝、石川県から優秀部活動指導者表彰を受けた。在任中は春3度、夏5度甲子園に導いた。奥川のほかにも北村拓己内野手(26=巨人)岩下大輝投手(24=ロッテ)ら多くの選手をプロに送り出してきた。

今夏は、野球部員を含む新型コロナウイルスのクラスター(感染者集団)が発生したため、石川大会への出場を途中で辞退していた。林監督は「就任時より『10年を一区切り』と決めておりました。9年目で準優勝を果たし、10年目で優勝という目標のもとで取り組んできましたが、新型コロナウイルスの影響で戦うことができませんでした。あと1年という思いで全身全霊で取り組んできましたが、結果として成し遂げることができませんでした」と同校を通じてコメント。10年間で春夏合わせ20回の出場機会中、10回の出場、そして日本一を目標にしていたが、達成できなかった。「大変心残りではありますが、次の世代にバトンを渡す決意に至った」と話した。

秋季大会が最後の大会となり「何としても優勝し、さらにセンバツ大会で『日本一』になることができるように生徒たちとともに頑張ってまいりたい」と残りの任期に完全燃焼を誓った。