9月1日に母校に着任し、2試合目の指揮となった原俊介監督(44)率いる東海大相模が投打に圧倒した。25安打19得点で6回コールド勝ち。特に、6回には打者15人で10安打10得点を奪った。前回2回戦に続くコールド勝ちに、原監督は「相模の特長として、打がいい。積極的にストライクゾーンを打つ習慣がついている。積極的に打ちにいった結果だと思います」と目を細めた。

門馬敬治前監督が今夏で退任。原監督は東海大静岡翔洋から移ったばかりだ。「神奈川の野球は、静岡と違ってアップテンポ。私も選手としてしか、神奈川の野球を経験していません」と控えめに話すが、代名詞の「アグレッシブベースボール」で大勝を続けた。

打撃だけでなく、走塁でも積極的に次の塁を狙う姿勢が随所に見られた。先発で5回1失点だった庄田聡史投手(2年)は「自分も9人の1人。チームの目標として『つながる』と、常に言っています」と、9番打者として2安打2打点を重ね、足でも先の塁を狙った。

原監督は「いいところを継承したい」としながらも、「私の色も出していければ。捕手出身なので、捕手視点も注入したい」と意欲を口にした。5-0の3回1死三塁では、内野を前に守らせた。「もちろん、1点あげてもいいケースもありますが、いろんなシチュエーションで試合展開を考えないといけない。まだ序盤。点数を簡単にあげていいわけではない」と説明した。結果的に、三遊間を破られ、唯一の失点となったが、原監督の野球観が垣間見られた。

プロ野球の巨人でもプレーしたが、指導者として母校のユニホームを着るのは初めて。「伝統ある相模高校。身が引き締まります」。生徒たちには「志を高く、全国の頂点を目指そう」と訴えている。秋を勝ち進めば、来春センバツが見えてくる。日本一となった今春に続く頂点へ、歩み始めた。【古川真弥】