苫小牧工が夏の南北海道大会4強の北海道栄を5-1で下し、12年ぶりの秋全道に王手をかけた。

今秋から背番号1の長舩拓夢投手(2年)が4安打1失点で公式戦初完投勝利。コースを突く直球と低めに落ちるスライダーを軸に、7回の3者連続を含む10三振を奪った。138球の力投に「最後まで気持ちを切らさず、1球1球丁寧に1アウトずつ取れたかな」と振り返った。

球友との再会が1つの目標だ。15日に全道大会進出を決めた東海大札幌の左腕エース門別啓人は日高富川中までのチームメート。当時は門別が主戦で、長舩は三塁手兼2番手投手を務めていた。今は互いにエースナンバーを背負っており、全道大会出場を果たせば対戦の可能性もあり「やりたい気持ちは強い」と思いを口にした。

この日の投球に平山良行監督(47)は「気持ちが(相手を)上回ったのかな思う。十分過ぎるほどよくやってくれた」と評価した。春夏6度甲子園の古豪だが、秋全道は09年を最後に遠ざかっている。次は地区代表をかけて苫小牧中央と対戦する。長舩は「1球1球大切に、丁寧に次の試合も頑張りたい」と意欲的に話した。【山崎純一】