秋の4強が出そろった。仙台育英は仙台南に8-0の8回コールド。2年生投手、斎藤蓉-古川翼-小林寛大の継投で、仙台南打線をわずか3安打に抑え込んだ。

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8回0封リレーだ! 先発・斎藤蓉がチームに流れを呼び込んだ。1回、相手2番を空振り三振に仕留めると、そこから6者連続三振。4回まで4イニング連続の3者凡退と圧倒した。5回に制球が乱れ四球を与えたが、尾形樹人捕手(1年)が一塁走者をけん制で刺して3アウト。斎藤蓉は5回を投げ、8奪三振1四球、被安打「0」。60球で打者15人を仕留める完ぺきな投球を見せた。

「(夏は)自分もベンチにいて悔しさを味わったので、3年生の分も絶対に勝ちたいと頑張ってきました」。夏の敗戦から自身が課題とするクイックの練習と体力向上に取り組み、投げ込みの量を2倍、3倍に増やした。この日は5回で降板したが、体力にはかなりの余裕を残しており、夏からの成長を実感。準決勝・利府戦に向け「次を勝たないとその次もないので1戦1戦しっかり勝って優勝したいです」と一戦必勝を掲げた。

継投した古川は、2回を1安打2奪三振に抑え、続く小林は2安打を浴び1四球を与えたが、落ち着いて試合を締めた。ここまで5人の左腕投手を起用し、2試合で被安打は6。春にチームの課題とした左腕投手陣が充実してきた。

「(相手が)ランナーに過敏に反応してくれていたので、ランナーを出るところに力を注ごうという話をしました」。須江航監督(38)の采配も光り、7盗塁と機動力でも相手を翻弄(ほんろう)。東北大会出場がかかる準決勝に向け、快勝で弾みをつけた。【濱本神威】