公立で唯一4強入りした上尾は、あと1歩及ばなかった。40年ぶりの関東大会出場を逃し、高野和樹監督は「いつもあと1歩。去年も今日も、際の部分で逃してしまう。それでも、またチャレンジしないといけない。選手はよく頑張った。諦めたら終わり。地道にやるしかない」と振り返った。

2番手として0-3の1回無死一、二塁から登板した背番号1の川口翔大朗投手(2年)が、試合の流れを変えた。2回以降は打たせて取る投球で、追加点を許さなかった。8回を被安打2の4奪三振と踏ん張った。

4回にスクイズで1点を返すと、8回には金丸健司捕手(2年)が左翼へソロ本塁打を放った。ガッツポーズをしながらダイヤモンドを一周した。通算7号で、公式戦では初本塁打。「4回戦まで打てなかったので、今日こそは自分が助けたいと思っていた。センター前(安打)のイメージだったけど、振り切ったことがよかった」と喜んだ。

1点差まで迫ったが、その1点が大きかった。チャンスは作るも、浦和学院エース宮城誇南投手(2年)の投球を上回れなかった。「あと1本、というのを痛感した」と金丸。「新チームが始まってから、ずっと『関東大会に行こう』と話していた。こういう1点差ゲームで勝たないと、意味がない」と悔しさをにじませた。