「花火打線」が11安打で制した。3位決定戦は大曲工が大館鳳鳴を9-4で下し、5年ぶり8度目の東北大会出場を決めた。「5番右翼」で先発出場したエース右腕・長淵星河(2年)が2安打4打点で打線の導火線に火をつけ、救援登板した7回以降を無失点に抑えた。東北大会には同校と能代松陽と大館桂桜が出場する。

大事な一戦で長淵星が3度、右腕を高く突き上げた。1度目は3回の攻撃だ。連続押し出し四球で2点を先制し、なお1死満塁で「ピッチャーの(石山)伶偉(れい、2年)を助ける思いで打席に入った」。芯で捉えた打球は右中間へ高々と上がり、走者一掃の3点適時三塁打となった。「花火打線」に火をつけた喜びを塁上で爆発させた。

2度目は4点差で迎えた7回の守備だった。1死一塁から3番手としてマウンドに上がり、狙い通りの併殺打に仕留め、声を張り上げた。「良い雰囲気ではなかったので、ゲッツーで切り抜けられたのは良かった」。以降も丁寧にコースを突く投球で無失点。9回2死に勝利を決めるアウトを奪い、マウンドで天をさした。

先輩の分も切符を手にした。今夏は8強で終わり、斉藤颯大前主将(3年)から「絶対に甲子園に行けよ」と思いを託され、チームを引っ張る立場として気持ちを引き締めた。前日25日の準決勝は7回6失点。「絶対に負けられない試合だったので、昨日よりも気合を入れて投げた」と気迫の投球で5年ぶりの舞台を手繰り寄せた。

東北大会では「1年生ながら30本塁打を超えていて、一番良い打者だと思うので」と花巻東(岩手)の佐々木麟太郎内野手(1年)との対戦を待ちわびる。勢いに乗る1年生スラッガーを抑え、「東北優勝」を果たし、15年以来2度目のセンバツ出場を実現させる。【相沢孔志】