酒田南が鶴岡東を5-2で下し、3年ぶり12度目の秋の王者に輝いた。4回に先制適時打を放った神原健人捕手(1年)をはじめ、すべての打点を1年生が挙げる活躍を見せた。3位決定戦は、山形中央が今夏Vの日大山形に6回に一挙7点を挙げる逆転で8-5で勝利。酒田南、鶴岡東、山形中央の3校が東北大会に駒を進めた。

強豪を打ち崩した。今春は優勝したものの夏は山形城北に4-6で敗れ、1回戦敗退。夏の悔しさをバネに、準々決勝は今夏準Vの東海大山形を4-2、準決勝は今夏Vの日大山形を8-4で撃破。決勝まで全試合をコールドで勝ち上がってきた鶴岡東にも臆せず、山形の頂点を勝ち取った。

打線は1年生が躍動。1年春から正捕手を務める神原は、「酒田南の流れをつくって、周りの(鶴岡東優位の)評価を崩してやろうと思っていました」。2投手のリードと流れを呼び込む適時打で、その強さを証明した。1番の桐花幸甫内野手(1年)も1安打2打点を挙げ、チームを後押し。「初回からチームに流れを持ってこれるような打撃をしたいです」とさらなる飛躍を誓う。

最後は6回から継投した最速147キロ右腕の田村朋輝投手(2年)が三振で締めくくった。田村は「後輩が活躍していると刺激をもらえるし、最後の真っすぐは狙ったところにいったので合格だと思います。三振を取って終われたのは良かった」と振り返った。

就任2年目でチームを春、秋優勝に導いた北川泰俊監督は「(相手に)ひるまずに向かって行ってくれたのは成長を感じました」と選手の成長を喜んだ。そして、東北大会に向け「歴史を変える出場になればと思っています」。同校は春は02年、夏は12年以来甲子園から遠ざかっている。強豪復活へ、山形の第1代表としてセンバツ切符をつかみ取る。【濱本神威】