思いを込め、力強く投げきった。今夏の決勝カードが再現。青森山田が弘前学院聖愛を4-0で下し、夏のリベンジを果たした。エース左腕・堀内友輔(2年)が、散発4安打13三振を奪う完封で勝利を手繰り寄せた。

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堀内がリベンジマッチで奮闘した。初回から直球と変化球を巧みに操り、相手打線を翻弄(ほんろう)。4回2死で2者連続四球を与え、この日初めて許した得点圏も、落ち着いて三振で切り抜けた。試合は味方が5回に先制し8回に3点のダメ押し。「(自分が)ゼロで投げていれば負けることはないと思って仲間を信じて投げた」と味方の好プレーに助けられながら135球の熱投を見せた。

勝利を先輩に届けた。今夏の決勝は先発で5回2失点と好投も、1点差で惜敗。夏の聖地にあと1勝届かなかった。この日の試合前には3年生から「自分たちの分までやってくれ」と託され「やってやるという気持ちが前に出て良い結果につながった」と全力投球でチームを引っ張った。9回2死に勝利を決める最後のアウトを一邪飛で奪うと、マウンドで一瞬、安心した表情を見せてから整列に向かった。

負けられない戦いが続く。2年ぶりの東北大会出場を狙う同校は昨秋、今日9日に対戦する八戸学院光星との準々決勝で1点差で惜敗。今春の県大会でも敗れ、公式戦は2連敗中。強豪との一戦に向けてエースは「また気持ちを切り替えて、もう1度強い気持ちで当たりたい」。先輩の分も甲子園へ。再びマウンドで必死に腕を振る。【相沢孔志】

◆弘前学院聖愛はセンバツ出場が絶望的となった。エース右腕・葛西倖生(2年)が4失点完投も、打線が4安打に封じられ、初戦突破できなかった。夏の甲子園出場後は、コロナ禍による県内の部活動中止もあり、なかなかうまく調整ができなかった。原田一範監督(44)は「今日で新チーム活動から10日目くらいでした。生徒は精いっぱいやってくれました」とたたえた。