大阪桐蔭は先発の川原嗣貴投手(2年)が6回無失点と好投し、秋の府大会を3年連続優勝に導いた。序盤から丁寧な投球が光り、5回まで無安打無失点。3点リードの6回は2死一、三塁のピンチを招くが、投ゴロに詰まらせた。7回からは左腕の前田悠伍投手(1年)に継投。3回無失点だった。完封リレーで頂点に立った。

春夏通算23度の甲子園出場で8度優勝の名門校が再出発する。3月のセンバツは初戦敗退。夏の甲子園は初戦を突破したが、2回戦の近江(滋賀)戦で惜敗した。同点の8回、決勝打を浴びたのが川原だった。敗戦後、涙は止まらず「近江打線がしぶとくて、四球四球で崩れて本当に悔しさしかない」と声を震わせていた。すでに近畿大会出場を決めており、この日は4季連続で大阪府大会を優勝だ。

西谷浩一監督(52)は「日程に余裕がないなか、みんながつないで、ここからだと思う。(川原は)うまく試合を作ってくれた。(夏の甲子園で)自分が打たれたと本人は思っていると思う。いい勉強になった」と話した。川原も「甲子園で負けてから、自分のなかで何をしていいか分からなかった。正解が分からなかった。(先輩に)『お前が引っ張らないと勝てない。お前はお前らしくやれ』と言っていただいた。甲子園で悔しい思いがあったからいまがある」と前を向いた。

西谷監督は「日本一を目指してやっている。負けた悔しさを特に2年生は強く感じている。日本一になりたい欲を持っていると思います」と話す。センバツ出場に向け、日本一奪回を目指して、仕切り直す。