運命の誕生日ドラフトがまもなくやってくる。11日のドラフト会議で上位候補に挙がるノースアジア大明桜(秋田)の最速157キロ右腕、風間球打(きゅうた)投手(3年)は12球団OKの姿勢を示し、そのときを待つ。9日にはソフトバンクが1位指名を明言した最注目右腕は、18歳初日に新たな1歩を踏み出す。

■“父親”輿石監督 愛情を込めエール交換

風間と同じ山梨出身の輿石監督は、選手たちと寮生活をともにし「父親」と「指揮官」、2つの役割を担った。「野球部員はみんなが家族だと思っていますが、(応援団経験がある)球打には1度、応援エールをもらったことがあり、それが思い出深いですね」。そんな“息子”にプロで期待するのは「まずは1軍に入り、安定してローテーションに入れるような投手になってほしいです」。愛情を込めてエール交換した。

■油そば店店長安田さん「雰囲気は完全にプロみたい」

油そば専門店「歌志軒秋田駅前店」を経営する安田翔さん(38)は、高校1年時から野球部仲間と店に通う風間を“おいっ子”のように見守ってきた。毎回、特大サイズのでら盛り(500グラム)をすぐに完食するそうで「風間君は体が大きく、雰囲気は完全にプロみたい。話をしても落ち着いていて大人な印象です」。ドラフトは「(指名)順位関係なく、名前が呼ばれたら、ホッとしますし、ただただ楽しみです」と心待ちにしている。

■先輩女房の五十嵐新平 捕球に「苦労しました」

先輩女房は奮闘したキャッチングを振り返る。ノースアジア大・五十嵐新平捕手(1年)は、後輩の風間とバッテリーを組んだ日々を「角度がすごい。苦労しました」と懐かしんだ。「上から球が来るので、低めに決まるとミットが下がりボールに見える。ミットを止めるのを特に意識しました」。いかに左手をストライクゾーンでキープするか。“後輩亭主”の球は大学のプレーに生かされている。