日本文理(新潟)はエース田中晴也(2年)と村越仁士克(にしか=同)の右腕2枚看板で秋季北信越大会に挑む。村越は秋季県大会決勝・北越戦で2失点(自責1)初完投で実力を証明した。決勝では延長10回サヨナラ負けを喫したものの、持ち味の制球力で田中を援護する。16日の1回戦は高岡商と対戦する。

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背番号10、村越は存在感を増している。「コントロールは、(エース)田中に負けていない」。制球力を生かした打たせて取る投球が持ち味だ。公式戦初先発となった秋季県大会決勝。北越に延長10回、1-2のサヨナラ負けを喫した。それでも9回2/3を投げ、10奪三振で2失点(自責1)の投球内容。初完投で自信がついた。

それまでの自己最長は6イニングだった。投球数は初の100球を超える108球を投げ込んだ。「田中、田中と言われている中で、文理は田中だけではないと思わせるピッチングができた」。田中が投打にチームの中心として注目を浴びる中、村越は1人で投げ切ることのできる力を証明した。

鈴木崇監督(41)は「決勝はスコアとしては負けてしまったが、あれだけ気持ちのこもった投球ができたことは選手たちの励みにもなった」と評価する。北信越大会では「初戦から(田中と村越)2人でフル回転でやってもらいたい」と期待を込めた。

夏甲子園の初戦2回戦、敦賀気比戦(6-8)。先発田中のあとを受け、9回表の1イニング、マウンドに立った。1安打1四球も無失点で抑え、大舞台で経験も積んだ。「(今秋の)北信越大会は通過点」と村越。夏の甲子園初戦敗退と秋季県大会準Vに終わった悔しさをバネに、まずは来春のセンバツ出場権奪取に挑む。【飯嶋聡美】

◆村越仁士克(むらこし・にしか)2004年(平16)6月1日生まれ、燕市出身。小2から弥生町イーグルスで野球を始め、小4から投手に。中2では軟式野球県大会で優勝し、全国ベスト16入り。日本文理では1年秋からベンチ入り。177センチ、82キロ。右投げ右打ち。