「秋の盛付打線」は“つなぎ”で勝負! 盛岡大付(岩手3位)が12安打9得点で学法石川(福島3位)を8回コールド。公式戦初「1番」の佐藤洋輔内野手(2年)が、勝ち越し適時打を含む3安打1打点と活躍した。

「新攻撃スタイル」で、両軍合わせて22安打の打ち合いを制した。夏の甲子園で見せた迫力満点のアーチ攻勢はない。放った12安打はすべてが単打だった。各打者が欲を捨て、つなぎの野球に徹した。関口清治監督(44)は「『3年生ほどの力はない』と選手には言っています。つなぐ意識を持ちながら、ボール球をしっかり見逃してくれた」とたたえた。

「つなぎの野球」を象徴するシーンだった。1-1の同点で迎えた4回2死一、二塁。1番佐藤が2球で追い込まれるも、ファウルで1球粘り、4球目の外角直球を流し打ち。打球は右前で弾む、勝ち越し適時打となった。続く2番伊藤新太内野手(1年)は10球も粘った末に四球。ここから1四球を含む3連打。この回、打者一巡の猛攻で一挙6得点を奪った。佐藤は「チーム内で次につなぐ打撃をしていくことを徹底している」と自信を見せる。

小技も光った。ボール球はしっかり見極め、際どいコースはコツコツと当てファウルでしのぐ。四死球は8つを数え、5盗塁にエンドランも絡めた機動力が際立った。公式戦初の「1番」で起用された佐藤は3安打「猛打賞」の大当たり。2盗塁もマークした。「先頭打者の役割は、出塁が大事になってくると思うし、チームに勢いを与えることだと思います」と言う。

2季連続の甲子園出場へ-。チーム目標は「優勝」を掲げる。次戦は今日21日、大会3連覇を目指す仙台育英(宮城1位)だ。「目の前の一戦一戦をしっかり戦っていく」。足元を固めながら、秋の東北王者へ歩みを進める。【佐藤究】