エンゼルス大谷翔平投手(27)が18日(日本時間19日)、今季のア・リーグ最優秀選手(MVP)に、日本人では初めて満票で選出された。満票MVPはメジャーで史上19人目で、15年のハーパー(当時ナショナルズ)以来6年ぶり。日本人選手のMVPとしては、2001年のイチロー外野手(マリナーズ)以来20年ぶり、2人目の快挙となった。

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大谷の歩みは、恩師の想像を超えていた。MVP受賞に、花巻東・佐々木洋監督(46)は「野球の技術、人としての人格、非常識な発想を常識に変えた影響力。総合的に、数字や率ではなく、全体をみて評価していただいたと思います」と喜びを隠さなかった。

高校時代で思い出されることがある。「目標ではなく決意だったと思いますが」と前置きして、大谷が書き残した言葉を紹介した。

「世界最高のプレーヤーになる。この道の開拓者になる」

メジャーで活躍しよう、160キロを出そうと2人で目指してはいたが、「世界最高」には、さすがの佐々木監督も「ぶっとんでいる」と思ったという。ただ、その後も含め、大谷の野球への取り組み、生き方を見ると「前の日の自分を超える気持ちで、今も過ごしている。必然だったのかなと。たまたま歩いていてMVPを取ったわけではなく、目指していたから取った」とふに落ちた。

数日前、隔離期間明けの大谷と再会。「偉ぶることないですし、人としての考え方は変わらない」。明治神宮大会への激励を受けた。「日本一になれるよう、負けないよう頑張りたい」と口元を引き締めた。【古川真弥】